~遅れて来た異例の参加者~

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~遅れて来た異例の参加者~

目が覚めたら学校の屋上にいた。 だけど俺が通ってる学校の屋上じゃない……………… 文月「ここは………?俺は確か街にいたはず…………」 起き上がって立ち上がって屋上から周りを見回す。 野球場があったり、体育倉庫があったり、プールがあったり…………見るかぎり普通の学校みたいだ。 校門が見える………そこから下り坂も見える。 文月(って事は外に出れるんじゃ無いか?) とにかく学校から出ることを先決にして校門に向かおうとした。 最悪、携帯さえあれば最近のGPS機能を使って帰れるだろう。 しかしそれは無駄になった。 ポケットに突っ込んだ右手が何も触れない。 文月「嘘だろ…………」 財布もさっき拾った手紙も無い…………現状は破滅的だと言ったところだ。 ガックリと屋上の手すりに持たれる。 文月「訳も分からない光の時空が目の前に現れて、強烈な光をくらって気を失ってる間にどこか分からない学校の屋上に放置されて、あげくの果てに窃盗かよ……………」 今の俺には嘆く事しか出来なかった。 ???「あんた誰?」 文月「うおっ!?」 いろいろと動揺していて人が近づいていたのに気付かなかった。 ???「そんなに驚くなよ………あんたも参加者なんだろ?」 男っぽい口調だが、俺の目の前にいる人は女である。 腰まで伸びた長い茶髪、女子にしては高めの背、整った顔立ちにある鋭い目付き、胸は………まな板って気休めの言葉があるのにも関わらず、表せそうに無い程無い胸…………まさに『鉄板』だ。 ???「おーい、どうした?」 文月「あ、ああ、わりぃ………」 心配そうに顔を覗き込んできた女子に返事をする。 常盤「私は常盤 詩帆(ときわ しほ)。あんたは?」 文月「俺は文月 一希。なあ………さっき言ってた参加者ってどうゆう事だ?」 常盤「え、招待状貰ってないの?」 文月「なんだよ招待状って?」 腕を組んで考える常盤と名乗った女子。 少ししたらポツリと一言呟いた。 常盤「『あなたのゲーム参加が決まりました』」 文月「なっ……なんでお前がそれを!?」 それは俺が拾った手紙に書いてあった一言。 だから俺しか知らないはずなのに常盤は知ってる………ひょっとして、こいつが俺の窃盗犯か!? 常盤「そんなに驚かなくてもいいよ。私の所にも届いたんだからな」 文月「てめぇ……一体?」 常盤「ま、積もる話しは場所を変えてしようぜ?」 俺は案内されるままに屋上を出ることにした。
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