~Final practice Stage~

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東はもう一体の影に背中を向けている。 影は大きく拳を振り上げた。 常盤「東君!」 ドンッ! 鈍い音がしたあとに、拳を振り上げていたはずの影は地面に叩きつけられた。 文月「はぁ?」 何が起こったのか分からないが、何故か東の背中から右足がはえていた。 大和(西香)「ったく、こんな事でいちいち騒ぐなよ」 背中からはえていた右足から、ずるずると西香が出てきた。 大和(東)「西香、そっちはよろしくね」 大和(西香)「わーってるよ」 かなり便利なスキルだと思いました。 文月「おっと!?こいつらの事忘れてた」 影のパンチを避けて身構える。 俺は二人に挟まれないように立ち位置を考えて移動する。 文月(一体倒してから残りを倒すか…………) さっき回し蹴りでダメージを与えた影に距離を積めて、素早い右ジャブを顔に当てる。 顔に当たった影は、頭が少し上を見る体制になった。 空いている左手で胸倉を掴み、一気に自分に引き寄せる。 文月「うらっ!」 引き寄せた影の顔に頭突きを決める。 引き寄せた勢いもあったので、かなりダメージを与えている。 文月「こいつでラストだ!」 頭突きを受けてよろけた影に、駄目押しの振りかぶった右パンチを叩き込んだ。 ゴロゴロと転がった影は、倒れた場所で霧の様に消えた。 文月「あと一体だな」 俺は振り返り、手を軽く鳴らした。 大和(東)「いやー文月君強いねー。 二体相手でも瞬殺だったよ」 文月「そんなことねーよ」 俺達は影を倒し終えて、少し立ち話をしていた。 常盤「随分と囲まれるのに慣れてるな。 そんなに恨み買いまくってリンチされかけてたのか?」 文月「んな訳ねぇだろ! 不良が一方的に喧嘩ふっかけてくんだよ!」 大和(西香)「喧嘩にルールとか無いもんな」 西香は影を倒したらすぐに東の中に戻ってしまった。 だから今は顔の半分が西香になっている。 常盤「よし、話しもこれくらいにしてそろそろ行こうか」 こうして俺達は再び走り出した。
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