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目が覚めると……いや、目は覚めてない。
だけど、妙に意識がはっきりしてる。
周りは真っ暗闇。
自分以外は何も見えない。
そうだ、確か俺はトラックに轢かれて……
轢かれてどうなった?
わからない。
轢かれたことは覚えてる。けど、それからはわからない。
ここがどこなのかも。
「天、国かな……」
ボソッと呟いた瞬間、
「──っ!!──!起きて!!」
彼女の声がした。
やっぱり、ここは天国なのかな……
俺の名前を読んでくれてる……
幸せ……だな。
死ぬなら、今かな……──
「──っ!!死んじゃいやぁっ!!」
彼女が泣いている?ような気がして、彼女の名前を呼ぼうとした瞬間……──
ポタリと滴が俺の顔に落ちると同時に視界が明るくなった。
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