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衝動のままにがばっと翼に抱きついて、ぎゅーっと強く抱きしめる。 本当に嬉しくて、やっと心変わりをしてくれたことに言葉にできないほどの感謝を感じて、頭をわしゃわしゃと撫でてやる。 「ありがとう、本当。愛してる」 あまりの嬉しさにソワソワとして、身体の動くままにチュッと翼の頬にキスをする、が。 触れたところが妙に熱い事に気がついて、動きを止めた。 「翼、お前……!」 体を離してその顔を見ると、いつもは女子顔負けの白い肌が、リンゴみたいに真っ赤に染まっていることに気が付いた。 「つ、翼!!保健室!!!!熱があるぞ!!!!」 突然の友人の体調不良に軽くパニックになりながらも、なんとかして保健室に連れて行ってやろうと、翼の右手を握って歩き出そうとする。 「待って」 だけど繋いだその手を逆に引っ張られて、動きを止められた。 それどころじゃないだろ、なんて思いながら振り返ると、少しだけ潤んだ瞳とカチリと視線が合う。 いつもとは違う翼の姿に、不覚にもドキリとした。 「俺、熱無いんだけど。ていうか、分からないの?」 薄い唇が開いて、囁くような小さな声でそう言われる。 妙に色っぽいその言い方に、嬉しさとは別の意味で鼓動が早くなるのが分かったけれど、なんのことを言っているのかは全くわからなくて、首を傾げた。
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