序章

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20XX年 ここ数年で日本は劇的に変化した。 造船会社やIT関係の活躍が増すなか、生産業等の低迷は計り知れない。 海外の輸入は増える一方、もはや我が国だけでは支えきれなくなっている。 「八方美人」 あるジャーナリストが今の日本をそう呼んだ。 国の借金と比例して都市化が進み、人工は集中するようになる。 地方は町作り等では人工の低下を防げず、発展途上区として指定されることもしばしば。 遂には【ダストタウン】【ゴーストタウン】【ロストタウン】といった呼び名が生まれた。 そして刑法の改正も変化の要因である。 死刑撤廃条例 刑法240条無期懲役刑改正 この二つが新たに導入された。 賛否両論が鳴り止まないのは至極当然の事。 死刑にするのは余りにも酷。 罰せられる罪が軽すぎる。 そういった国民の意見。 いつの時代も政治は国民に批判される。 長年に渡り溜まった国民の不満を解決する為、私利私欲しか考えていない政治家集団は現状打開案を出すしかなかった。 はたして無期懲役は死刑より軽い罰なのか。 当の本人以外は知るよしもない。 こうして生まれた新たな負の産物。 政治の歴史は繰り返されるばかりだった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 刑法240条無期懲役刑改正 懲役判決基準の例として以下のものとする。 (強盗・恐喝等で被害者を負傷させた場合は懲役5年以上又は無期懲役である。被害者を死亡させた場合は無期懲役である。) (如何なる場合でも正当防衛若しくは合理的な根拠・証拠がない限りでは、被害者を死亡させた場合は無期懲役である。) ―――――――――――――――――――――――――――――――――
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