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「それで…開かなくなった鍵とはどちらに?」
応接間の様な部屋に通された榎本は訝しげに執事を見つめた。
執事は「私とした事が…」と申し訳なさそうに頭を下げてから、隣の部屋に消えて行った。
榎本は室内をぐるりと見渡す。
てっきり部屋や金庫の鍵が開かなくなった類の依頼かとも思ったのだが今回はそう言った用向きではない様だ。
天井からは趣味のいいシャンデリアが提げられており、隅には邪魔にならない外観の煉瓦造りの暖炉が設置されている。
「榎本さま、お待たせ致しました」
執事が隣の部屋から美しい装飾が為されたオルゴールの様な箱を抱えて戻って来た。
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