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「青砥さんは…彼氏はいますか」
ある事件で密室の謎を解いてからと言うもの、何かと頼られる様になった新米弁護士の彼女に彼がかけた言葉は普段の彼からは想像がつかないかけ離れた言葉だった。
「えっ?」
さっきまでの落ち込みが嘘の様に吹っ飛んだ青砥は大きな目をパチクリさせながらパソコンの将棋ソフトをプレイ中の榎本を見返す。
榎本はパソコンから目を離してはいないものの、精神は既にそちらには向いていない様だ。
いつも無感情に閉じられた口許は自分自身でも理解しがたい感情に歪められている。
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