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李織が視えるか視えないか、少女のような奴等の中には分かる奴もいる。
奴等は自由に動ける体を手に入れようと取りつこうとしてくるのだ。だから李織は危険を感じたら即座に逃げる。
そのおかげか、足が速くなった。
暫く走り続け、少女が追ってきていないことを確認すると李織はその場に座り込んだ。
「はぁー…、疲れた……」
乱れた呼吸を整えながら辺りを見渡した。人はいないし奴等もいない。
李織が警戒心を解くと、ドッと疲れが出てきた。
学校でも安心できないし、外でも安心できない。そんな毎日に疲れが溜まる。
「あー……疲れた」
よっこらせ、と立ち上がると誰かがゆっくりと歩いてきているのが見えた。
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