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春は始まりだ。 勢いよく駆け出し、春一番が背中を押す。 新しい仲間が出来て、友達が出来て、親友が出来た。 芽吹く否か気になったけど、今はそれで良かった。 春はとても楽しい。 開いた桜も見ずに「花より団子」。 覚えもない約束で、みんな笑い合った。 家族すら知らない仲で、名前さえ漢字で書けなくて、しかしそれでも良かった。 春は好きだ。 晴れが三日と続かないけど、その変化を楽しんだ。 つまらない喧嘩もしたけど、空のようにすぐ晴れた。 未来は一向に見えないけれど、それで良かった。 春は楽しかった。 散った桜色が目に浮かぶ。 落ちて汚れた花びらを拾って、心に留めた。 奇怪な目は、気にならなかった。 そんなものは、変わって行くだろうから。 春は楽しくて、好きだ。 だから春は辛くて、嫌いだ。
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