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かつて過ごした町に
足を踏み入れた
避けてた訳じゃないけど
あの人の記憶の場所で
足が遠退いてただけなんだ
斜めから射す
光が眩しくて
軒先の影に入った
いくつもの道が
交わる交差点
相変わらず
信号機の順序は
分かりにくくて
真ん中にある
背の高い時計台で
よく待ち合わせをした
相変わらず
十分ぐらい未来を
指している
君の教える
その時間には
もう僕はここにいないけど
記憶の中の
騒がしい過去は
しんと静まり返った
現在に塗り替えられることなく
それでも
僕の意識は
そこに囚われる訳じゃなかった
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