5月、僕の月

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かつて過ごした町に 足を踏み入れた 避けてた訳じゃないけど あの人の記憶の場所で 足が遠退いてただけなんだ 斜めから射す 光が眩しくて 軒先の影に入った いくつもの道が 交わる交差点 相変わらず 信号機の順序は 分かりにくくて 真ん中にある 背の高い時計台で よく待ち合わせをした 相変わらず 十分ぐらい未来を 指している 君の教える その時間には もう僕はここにいないけど 記憶の中の 騒がしい過去は しんと静まり返った 現在に塗り替えられることなく それでも 僕の意識は そこに囚われる訳じゃなかった
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