10人が本棚に入れています
本棚に追加
廊下を歩きながら、姉は
「…まだ梵天丸様と御呼びしておるのか…?」
「…はい」
「元服なさったのだから、政宗様と御呼びしないと…」
「…判っています……姉上…」
姉は、俺を見、
「情が湧くのは解ります…
私も御育てしたのだから…
お可愛らしい方…
そなたも傍に付き、御教育したのだからな…」
「だが、あのお方は、伊達家を継がれる身…
けじめを着けなくてはなりませんよ…小十郎…」
ゆっくりと諭す
「…はい」
「判っております…姉上」
言われ、気落ちしている俺を見ながら、姉は言う
「基信様がそなたを待っておられる」
「基信様が…?」
顔を上げる
「話があるようです……」
「早く行って差し上げなさい」
それだけ言うと、姉は歩いて行った
何の話だろう……
急ぎ向かう
基信様の部屋に向かう途中、基信様と出会う
「小十郎、戻ったのか?」
「はい!
梵天……政宗様の所に寄っておりましたので……
今、そちらに向かおうと…
先程戻りました」
「ふむ」と、基信様
「少し話がある」
部屋へと戻る
最初のコメントを投稿しよう!