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サーモンのカルパッチョ、温かいパンプキンスープ、芳ばしいスコーン、食後のコーヒー…そのどれもが絶品である。
セルも残す事なく食べ終わった。
「ごちそうさま、マダム今日も美味しかった」
さすが自称美食家、食に対してはきちんとしている。
「あらぁ、嬉しいですわぁ、お夕飯も頑張りますわね」
「あぁ、そうしてくれ、それとユーリ、仕事についてだ」
「はい」
ユーリを連れて食堂を後にする。
ホールでは一人の青年がかがんで花の手入れをしていた。
「ロイド」
ロイド・アーヴィン、この屋敷の庭師である彼は、主に気付きゆっくり立ち上がった。
セルもユーリもそれなりに背は高い方なのだが、ロイドはその二人を軽く越している。
「(相変わらずでかいな…)前庭の薔薇の花がいくつか萎れていた。手入れをしておいてくれ」
「…かしこまりました」
そう言って道具を持ちのっそりと外に出ていく彼を見送り、セル達は自室へと足を進めた。
すると後ろから「バタンッ!ガシャンッ!」と何かが倒れる音と、何かが落ちる音がした。
そしてシフォンの絶叫が聞こえてきた。
「相変わらずのドジだな…」
「彼は全般的に鈍いですからね」
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