第2話

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「リュリ・ランフォード、それが貴方を目撃した人間の名前よ」 「何者だ?」 「…………」 眉間に皺を寄せセルが聞いた。 ユーリはというと、テラスの柵に腰掛け、これまた眉間に皺を寄せて何やら考え込んでいた。 「ただの下町の子供よ。 おじいちゃんと暮らしてたみたいだけど、3年前に死んじゃってるから今は1人暮らしね。 "メモリア"っていう雑貨屋で働いてるわ」 「そうか…ならボンドでもいけるな…ユーリ、お前が行くほどでもない…どうした?」 ユーリは柵に腰掛けたまま目をつむっていた。 「ジル…目撃者の姓はランフォードでしたね…?」 ゆったりと、確認するかのようにユーリは口を開いた。 「そうよ」 ジルは瞳を細めながら答えた。 「祖父と暮らしていたが3年前に他界…」 「えぇ」 「祖父と暮らし始めたのは…?」 「12年前よ」 「………」 「さすがユーリちゃん、勘が鋭いわねぇ」 「おい、勝手に話を進めるな ユーリ何が言いたい?」 ジルはふざけた様に拍手をし、セルは分けが分からないと顔をしかめた。 ユーリはゆっくりと顔をセルに向け、口を開いた。
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