第2話

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リュリは急いで黒猫を追った。 大通りは人がいっぱいで、黒猫を追い掛けるのは至難の技だった。 一瞬、目で追えなくなってしまったが目を凝らすと、薄暗い路地に入って行くのが見えた。 「もう、待ちなさいってば!……キャッ!!」 「おっと!!」 猫に夢中で下ばかり見ていたので、その路地から出てきた人にぶつかってしまった。 「大丈夫かい?」 倒れそうになったリュリを支えてくれたのは黒い服を着た、長い銀髪に金瞳の青年だった。 シルクの様な銀髪と宝石の様な金瞳に、リュリはしばらく青年の腕に抱かれながら見惚れてしまった。 「大丈夫かい、お嬢さん」 「……あっ、はい、大丈夫です………あっすみません!」 青年に支えてもらっていた事を思い出したリュリは、顔を真っ赤にさせながらバッと自分で立った。 「よかった、怪我が無くて」 青年はリュリに向かって微笑んだ。 その笑みにリュリ自身も自然と笑顔になった。 「ところで、君はこの街に住んでいるのかい?」 「はい、そうですけど…どうかなされたんですか?」 「私は銀行員なんだけど、実は…道に迷ってしまったんだよ。 この街に来るのは初めてでね…だから君に道案内を頼みたいんだ」 青年は恥ずかしそうに答えた。 「構いませんよ、どこに行きたいんですか?」 「本当かい!?じゃあお願いするよ、クラリア孤児院に行きたいんだ」 「はい!こっちです」
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