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出発の時間になり私達は電車に乗り込む。自然と父の姿を探したけど父は居なかった。
電車が出発。暫くしたら海岸沿いを走る。何気に目を向けた。そこに父の車があり父も外に立ってるのが見えた。
気がついた私は反対側の座席に行き、窓を開け人目も気にせず夢中で叫んだ。『お父さーん!』
父が私の名前を呼ぶ声が聞こえ、一生懸命大きく手を振った。私も手を振ってまた叫んだ。
『お父さーん。大好き』
短い距離。すぐに姿が見えなくなった。
一瞬だけど見送ってくれたのが嬉しかった。「嘘つき」そう言って笑って泣いた。
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