ヘブンズドラック

9/26
前へ
/184ページ
次へ
  「……なるほどね」  小屋の中に入ってすぐ、その場所が何なのか判明した。  立ち並ぶ棚。そこに敷き詰められるように置かれた瓶。  薬品庫ってのはここか。  という事は、ここから薬が持ち出されているんだな。  現場検証くらいはするか……。 「フリーズ。そのまま手を上げなさい」  薬品庫に入って二歩。そこで、俺の背中に何かが突き付けられて、殺気立ったの声が聞こえてきた。  うおお……。何だってんだ……。 「……これでいいか?」 「あら……? その声」  俺が手を上げて喋ると、さっきまで殺す気満々だった声が、動揺した声に変わる。  ……んっ? この声は。  殺気を込めて抑えた声じゃなくなって、俺にも誰の声だか分かった。    
/184ページ

最初のコメントを投稿しよう!

152人が本棚に入れています
本棚に追加