プロローグ

2/16
前へ
/489ページ
次へ
春の日差しが降り注ぎ、小鳥の囀りが聞こえる閑静な住宅地。 その中の普通の一軒家に住む天川一家の長男、つまり俺は、私立千里高校の入学式を控えた今日、 メッチャ二度寝してた。二度寝サイコー! 正直春休み中ずっと昼夜逆転した生活してたから起きるのがダルい。 さっきからけたたましく鳴り響いてる目覚ましも全く気にならない。 全く、二度寝はリリンの生み出した最高の文化d「ウルセェーーー!!!」 「ゲフゥーーー!?」 は、腹にとてつもない衝撃がッッッ!敵襲か! ガバッと毛布をめくり上げて見ると、そこにいたのはヤ、山姥! 「早ク、学校、行ケ、次、騒イダラ、消ス」 ではなく、腹にエルボードロップを決めている絶賛低血圧中の我が姉、天川鈴音(あまかわ すずね)だった。 説明口調なのは文章力不足だから仕方ない、とガイアが囁いている。 「分かったから、ほら、ハウスハウス」 経験則から抵抗すると余計痛い目に遭うと知っている俺は、シッシッと手を振ってどっかいけ、というジェスチャーをした。 寝ぼけて俺が謝っているとでも勘違いしたらしい鈴ねぇは、スッと立ち上がり腕を組んでウムウムと頷き、未だに激しい騒音を奏でる目覚ましにかかと落とし(なかなかアグレッシブな止め方だ、俺はやった事は無い)を決め、激しい音をたててドアを閉め、出て行った。 蝶番とれかかってんじゃねーか、どんだけ馬鹿力なんだアイツ…
/489ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3771人が本棚に入れています
本棚に追加