プロローグ

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ドS姉の所為で眠気とサヨナラした俺は、壁に掛けてある新品のブレザーをハンガーごと外し肩に引っ掛け、颯爽と部屋を出る。 階段を駆け下り、洗面所で軽く顔を洗ってリビングに出ると、もはやお決まりの光景が広がっていた。 「はい、修(しゅう)くんアーン♪」 「アーン♪…モグモグ…ゴクンっ華(はな)ちゃんの料理は最高だぁー!」 ………ハッ 余りにも薄ら寒い光景に絶句しちまった。 「朝っぱらからいちゃつくなよ………父さん、母さん」 そう、この無駄にいちゃついてるバカップルは俺の両親だ。 親父はいかにもスポーツやってましたと言わんばかりのがっしりした体格で精悍な顔立ちをしていて、お袋は腰まで伸ばした髪に緩いウェーブをかけた何つーか、おっとり系って感じ? 目もタレ目だし手を口元に当てて「オホホ」とでも言えば如何にもそれっぽい。 早い話が美男美女だ。 親父のだらしない顔も癪だが絵になる。 が、しかし ウッゼェェェ! それは俺が全くモテないと知っての仕打ちか! 鈴ねぇには余すことなくふんだんに使われたその優良な遺伝子も、俺が産まれる際には在庫品切れ中ですと言わんばかりに力を発揮しなかった。 その事も中学時代、 「天川君って、地………アレだよね」 てな発言で裏は取れている。 地味顔で悪いか!(泣)
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