3771人が本棚に入れています
本棚に追加
「オッオイどうした飛鳥(あとり)!一人百面相なんかやって!?」
…おっといけない、また思考の海に沈んでしまった。親父がスゲー引いてる。…この癖はなおさねーとな。
「いや、何でもないよ父さん。」
取り繕いつつ、椅子に座る。
俺が現れた事により遮断されたIT(イチャイチャ)フィールドを見てホッとしつつ、朝食のトーストにかじりつく。
「そういえば飛鳥、今日から高校生ね。オメデトウ♪」
まるで自分の事の様に喜ぶお袋。基本バカップルしてない時は親バカな両親だ。
「…でも、何で千里高校なのぉ~?おねぇちゃんと一緒が良かった?」
頭にハテナマークを浮かべて聞いてくるお袋。
まぁそう言いたくなるのも無理はない。
ここ、千丁町にも高校は三校ある。アホか、と言いたくなるかもしれないがここら辺は地味に田舎だから町の規模が無駄にデカい。地元民は殆どの奴らはそこから進路を選ぶ。
なのに俺がそのどれも受けずに3駅先の千里高校一本しか受けなかった事を疑問に思ったんだろう。
「パンフ見て良いなって思ったんだよ。鈴ねぇが居るとか関係ないって。」
咄嗟に嘘をついた。
後半について、ではなく前半について。俺はドMじゃ無いからな、一応。
そうだ、これでやっとアイツとの因縁が切れる。
俺は知らず知らずのうちににやけていたらしい。
今度はお袋も引いていた。
最初のコメントを投稿しよう!