プロローグ

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靴を履き、玄関から出る。 後ろで行ってきますのチューとか聞こえるけど気にしない。 外にでると、春らしいポカポカした陽気に包み込まれた。 今すぐ回れ右してベッドで三度寝したいが、戻るとITフィールド展開中の両親と鉢合わせるので仕方なく前進することにした。 家の門をでて進むこと三歩、我が家の隣に建っている家を見上げる。 我が家より二周りほど大きいその家は、憎いアイツが住んでいる家だった。いや、今では憎かった、と言うのが正しいか。 中学では散々辛酸を舐めさせられたが、高校が別れた今では最早過去の話だ。 昔はここを通る度に表札に蹴りをぶち込んでやろうかとか考えていたが、今の俺は正に仏の心境だ。 さらば、親友!
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