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誰が行くかは一向に決まる気配はなく、とうとう一般人を対象に無制限の募集まで始まってしまった。
極めて滅茶苦茶だが、この背景には【時間逆行魔法】のタイムリミットが迫ってきたということがある。
しかし、それでも自ら過去に行こうという者は現れなかった。
賢者たちはとうとう多数決による選出(もはや生贄に近かった)を行おうかというとき、ある賢者の耳に小さな呟きが届いた。
「二百年前か。誰だったかすげー綺麗だったって言ってたなぁ。見て……みたいな」
それは、小さいながらも歓喜、興奮、興味心、羨望などあらゆる感情が入り混じっているように思えた。
彼は弾ける様に声の方に首を向ける。
そして、視線の先に立っていたのは若い青年。
その名を、ミルハ・ハルミリードといった。
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