序章

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次に大災害の原因となった出来事について。 これもまた、ある大魔法が引き金だと考えられている。 その大魔法は【遠距離型超広域爆破魔法】。 この世界には存在しないが、わかりやすく例えるなら核ミサイルといったところだろう。 威力は国一つが丸々消し飛び、巨大なクレーターを作る程度であり、効果範囲は東京がすっぽりと収まるほどである。 この大魔法も術式の構築に年単位の時間と、膨大なマナが消費されるため多用は出来ないものとなっている。 そもそも、こんな馬鹿げた魔法を創造、実際に使用されたことは長い歴史の中で一度しかない。 それが二百年前。 大災害の前日である。 この大魔法が使用された翌日に大災害は起きた。 しかし、この大魔法が大災害の直接の原因かといえばそれもまた違う。 確かにこの魔法により国一つが消え去り、大きな地響きを引き起こした。 だが、それだけだった。 この魔法に大地震を起こす術式なんて加えられていなかったのだから当然と言えば当然だ。 それならば大地震の原因とは何だったのか? 単に偶然が重なってしまっただけと言う者。 大魔法により地殻やプレートになんらかの影響を及ぼしてしまったと言う者。 滅ぼされた国に縁のあった別国が、報復のために大地震の大魔法を使ったと言う者。 しかしどれも、はっきりとした答えは出てこなかった。
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