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人が一人死ぬ。
ここではそれが当たり前のこと。
初めの頃は胸にこみ上げてきた感情も、今では空っぽになってしまった。
けれど、患者が亡くなってしまったその時は一人で居たい。
それだけが残って、人気のないこの部屋に居着くようになった。
特別何をするでもない。
タバコは何の利もないと学生時代に止めた。
ただ、何も考えずにボーっとする。
そんないつもと変わらない日常に彼女は飛び込んできた。
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