6987人が本棚に入れています
本棚に追加
/367ページ
そんな弱い彼女に僕は付け入る。
「おばあちゃんへの後ろめたい気持ちも傷つくかもしれない不安も、これからは考えなくていい。全て終わったんです。安心して愛されてください。」
黙っている彼女をまた抱き締めた。
そして今現在、僕の部屋の中には子猫がいる。
「ただいま。」
玄関で子猫を抱き上げると、さらに奥で僕を待っている彼女の瞼にキスをした。
「ただいま。」
「お、おかえり。」
これが、僕の腕を拒否することのできない彼女にすること。
僕はズルい。
最初のコメントを投稿しよう!