第壱章:呂布と呂広

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第壱章:呂布と呂広

        『飛将』呂布    字は奉先。愛馬は赤兎。方天戟を使いこなす無双の武人。正史によると、呂布が本当に得意だったのは馬術と弓だったという。飛将というあだ名も前漢の弓の名手・李広に由来する。  演義では呂布の強さが顕著である。反董卓連合においては劉備・関羽・張飛の三兄弟を相手に、エン州攻防においては夏侯惇・夏侯淵・典韋・許チョ・楽進・李典を相手どり互角に渡り合った。  当時から「人中の呂布、馬中の赤兎」と称賛されていた。人の中で呂布ほどの勇者はいない、馬の中で赤兎ほどの名馬はいない。この人馬はまさに鬼に金棒の関係だったのだ。  惜しくも慎重さに欠け、女性問題も多く、精神が不安定だった。人を見抜く目を持つ劉備、人を使いこなす曹操をして呂布を諦めたのである。  なお正史の著者、陳寿が「古今を見ても彼のような人物が破滅しなかった例はない」と酷評している一方で軍師の陳宮は「呂将軍は、天下に並ぶものがいないほどの戦上手である」と張バクに語った。
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