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高い士気のまま、徐晃は出撃を命じた。
敵の配置は分かっている。
偃城に関平の三千騎と歩兵七千。
四冢に趙累の歩兵一万五千、囲頭に周倉の歩兵一万五千。
将兵の配置も一見して隙はない。
だが、戦術次第では崩せる。
「間もなく、偃城です」
報告通りだ。
一番最初にぶつかる砦が偃城で、しかもその指揮官が関平なのである。
作戦は決まっていた。
「無視だ。全軍、そのまま囲頭へ向かう」
軍略では城砦攻めには守兵の三倍の兵が必要だと言われている。
一つの砦を集中して攻撃すれば、落とす算段はあるのだ。
関平もそれを分かっているはずだ。
いや、分かっていなくとも、自分が最初に立てた作戦に従うしかない。
偃城を通り過ぎ、徐晃は軍をゆっくり進ませた。
そろそろか。
「偃城より騎馬隊!三千騎で関平と思われます!」
「将軍!前からも敵です!その数、一万!」
やはり砦の外に出て挟撃。
連動するとは、そういうことだ。
「俺が関平を受け持つ。夏侯尚は周倉にあたれ。岳真は夏侯尚の補佐。残る部隊は円陣を組み、次に備えろ」
そう、ここで終わるはずがない。
「趙累軍一万、接近中!」
「円陣で防げ。指揮は趙儼[チョウゲン]」
馬を駆けさせながら命じた。
あの三万の兵は、近くの城の守備や賊の討伐などしかしたことがないらしい。
このような大戦は初めてだと言う。
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