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勇太...どうして!?
信じられないことが、二つあった。
まず、自分を拘束したのが勇太だったこと...
そしてもう一つ...
勇太の体が、異常に大きいこと...
いや、勇太が大きいのではない。私が小さいのだ。
「ママ見て!やったよ。僕、一人でミンミンゼミを捕まえられたよっ」
えっ?
勇太の後ろから、満面の笑みで涼子が近づいてくると、「凄いじゃない勇太」と、頭を撫でていた。
「パパにも見せにいく。僕、一人でもちゃんと捕まえられたんだって...」
「うん。そうだね」
そう言って涼子は頷くと、目尻を人差し指で拭いながら「帰ろっか」と、勇太の手を強く握った。
私は、事態を理解出来ないまま、勇太の首に下げられた虫かごに入れられ、二人と一緒に家路についた。
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