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突然、僕の前から亜美がいなくなったのは、三日前の出来事だった。
彼女は、僕の部屋に一通の手紙と、可愛らしいクマのぬいぐるみを残して、姿を消した。
《これがわたしの答えです》
そう簡潔に書き記された手紙。
そして、一緒に置かれていたぬいぐるみのお腹を押すと、決まって同じ台詞が聞こえてくる。
"さようなら"
少し鼻にかかった声...ぬいぐるみには、亜美の声が録音されていた。
突然もらったメッセージ付きの贈り物。
普通ならば、サプライズプレゼントに喜びたいところだが、僕はコレを聞いたとき、意味がわからず固まることしか出来なかった。
何度聞いても答えは同じ...
信じたくもない事実がそこにある。
僕は、フラれたのだ。
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