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ボスッ...
っという乾いた音とともに、目の前の壁が少しだけ崩れた気がした。
目には見えないため、その周辺を手探りで確認すると、少しのへこみが出来ているではないか。
この感触は...土?
ざらついた表面をえぐるように引っ掻くと、手のひらには、しっとりとした土の感触が伝わってくる。
まさか...
ここは、土の中なのか!?
だとすれば、自分は何者かによって、生き埋めにされたのではないか...
そう考えると、浩介の血の気は一気に足元に落下した。
ひょっとしたら、殺されかけた最中、偶然にも息を吹き返したのかもしれない。
なぜ自分がこんな目にあわなければならないのかは解らないが、一つだけはっきりとしたことがある。
それは、一刻も早くこの場を脱出しなければならないということ。
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