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溢れ出す涙をポロポロと零しながらも、次の言葉が苦しくて言えなくなった私をじっと見つめてた響先輩が、ゆっくりと私の正面に近づいて来た。
「お前さ…
それってどーいうつもりで言ってんの?」
「へっ?」
俯いた顔を上げたら、もう目の前に近づいてる響先輩の顔があって私は驚いて固まった。
「俺がそんなの許すと思ってんの?」
「えっ…?」
ゆっくりと私の顎を響先輩の指がつまむ。
クイっと持ち上げられた私の顔にさらにグッと響先輩の顔が近づく。
「…おい、覚悟は出来てんだろーな?」
「えっ?えっ?」
キラリと怪しく光る響先輩の瞳。
…響先輩…
何か怒ってる…??
ニヤっと笑った響先輩から落ちて来た言葉は…。
「もうお前を離さねーぞ。
解ったか?」
ゆっくりと落ちて来た響先輩の唇に私はそっと目を閉じた。
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