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桜の花びらが舞い散る校庭を、真新しい制服に身を包んで体育館へと向かって行く。
いよいよ私も高校生。
中学とは違う、少し大人になった気分。
新しい上履きに履き替えてクラス割りの表を見つめる。
私は1年1組に自分の名前を見つけた。
『14番 神田麻衣』
1年1組の席の並びを見ると、もう半分くらいの新しいクラスメイトがそれぞれの番号の座席に座ってる。
今度こそ…友達出来るといいな…。
引っ込み思案な私は自分から友達が作れなくて、中学の頃はいつも一人ぼっちだった。
勉強しか取り柄のない事もあって、高校は自宅からかなり離れたこの進学校に決めた。
ここなら…今までの自分を知る人はいないから…変われるかもしれない…。
そんな淡い期待を胸に自分の番号の席に座った。
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