第一幕 そこに棲むモノ

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「.....なっ、何なのよ、さっきの!?」 「わ、私に聞かないでよぉ。」 「それより、早く逃げるぞ!」 ーーー真夜中の零時頃。 何かに怯えながら、必死になって逃げ惑う若者達。 人通りも少ない住宅街に響く声と足音。 頻りに後ろを振り返り、ひたすら走る、走る、走る。 「はぁっ...、はぁっ...、わ、私、もう走れない!」 「ちょ、ちょっと、何言ってんのよ!!」 必死に走ってきた3人の内の女の子が、地べたに座り込み嘆いた。 その1人の女の子を無理矢理でも立たせ、腕を引っ張る友達の女の子。 尋常じゃ無いぐらいに、3人共汗をかいている。 「何でこんな事になったの?ねぇ、何でぇ.....!?」 「知らねぇよ!俺にも分からねぇよ!!」 それでも、もう走れないと嘆く女の子は、隣に立つ若い男の子に泣き崩れながら聞いた。 額から流れる汗を手で拭いながら、大声を出した。 「怒鳴らないでよ!そもそも、アンタの所為なんだからぁ!」 しゃがみ込み動こうともしない女の子の腕を、引っ張る友達の女の子は、涙の膜を張った目で男の子を睨んだ。 .
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