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「.....なっ、何なのよ、さっきの!?」
「わ、私に聞かないでよぉ。」
「それより、早く逃げるぞ!」
ーーー真夜中の零時頃。
何かに怯えながら、必死になって逃げ惑う若者達。
人通りも少ない住宅街に響く声と足音。
頻りに後ろを振り返り、ひたすら走る、走る、走る。
「はぁっ...、はぁっ...、わ、私、もう走れない!」
「ちょ、ちょっと、何言ってんのよ!!」
必死に走ってきた3人の内の女の子が、地べたに座り込み嘆いた。
その1人の女の子を無理矢理でも立たせ、腕を引っ張る友達の女の子。
尋常じゃ無いぐらいに、3人共汗をかいている。
「何でこんな事になったの?ねぇ、何でぇ.....!?」
「知らねぇよ!俺にも分からねぇよ!!」
それでも、もう走れないと嘆く女の子は、隣に立つ若い男の子に泣き崩れながら聞いた。
額から流れる汗を手で拭いながら、大声を出した。
「怒鳴らないでよ!そもそも、アンタの所為なんだからぁ!」
しゃがみ込み動こうともしない女の子の腕を、引っ張る友達の女の子は、涙の膜を張った目で男の子を睨んだ。
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