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【エピローグ】
トメさんと私が帰ってから、数十分後。
さくらちゃんは目を覚ましました。
「・・・おばあちゃん?」
懐かしいおばあちゃんの線香のような匂いに目を覚ましたさくらちゃん。
辺りを見回すが、当然そこには誰もいない。
「・・・リアルな夢」
彼女は夢の中で、おばあちゃんに頭を撫でてもらっていた。
撫でられた感触がいまだに頭に残っている気がした。
「おばあちゃん、会いたいよー」
リアルな夢のせいで、さらに切なくなったさくらちゃんは机の上に飾ってある、写真のおばあちゃんの顔を見る。
笑顔で巨大なシーサーの上に乗っているおばあちゃん。
その時の思い出がいまだに鮮明に思い出せる。
「おばあちゃん・・・」
ベットから降りて、写真を手に取ろうと机に向かった所で、さくらちゃんは異変に気付いた。
「・・・あれ?」
開いたままのはずのアルバムが表紙を向いて閉じてあった。
不思議に思いながら、表紙を開く。
「あ・・・なに、これ・・・」
大事な大事なおばあちゃんとの思いでの写真。
なのにその写真にラクガキがしてあった。
「ひどい。誰がこんな事・・・」
ページをめくってもめくっても全部の写真にラクガキがしてある。
大事な写真にラクガキされて彼女は怒りを覚える。
しかし・・・ページをめくるうちにその怒りはだんだんと静まり、それと同時に驚きへとかわる。
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