第一話

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「こんにちはー!郵便ですよー」 おや、あちらからくるのは ジャニーズ系の顔でおばさま方に大人気の郵便屋さん(23歳)ではないですか。 「おやまあ郵便屋さん。あいかわらずイイ男だねぇ」 「ありがとうございます!」 さすがさわやか男子。 ご年配のトメさんの心もわしづかみですね。 「これ郵便です」 「いつも御苦労さまです」 おやトメさんが郵便屋さんから受け取ったそれは、もしや・・・。 「あー、やっと来たねぇ。生前訪問許可証が。全く待ちくたびれたよ」 さっき話していたアレですね。 じゃあ、さっそくこれから生前の世界に行きますか? 「もちろんさね。孫娘が待っているんだ早くいかなきゃねぇ」 ではお供します。 「あれ?イケさんも一緒に来てくれるのかい。そりゃ助かるよ。 なんせ荷物が多くて・・・」 あ、駄目ですよ。 生前の世界に物はもちこめない仕組みです。 「なんだいケチくさいねー全く。 孫娘にお土産の一つも持っていけないだなんて」 いやーまあー、でも生前の世界ではあなたは幽霊扱いですからね。 幽霊がお土産持ってきても不気味がられるだけですよ。 「そうかい?それじゃあしようがないねぇ」
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