Prologue

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――三年前―― 「母さん!!母さぁん!!」 12歳くらいだろうか、少年はひたすらに揺する 倒れて動かない、既に死んでいる自分の母を 「母さぁぁぁん!!」 少年の母だけではない そのまわりにも倒れている人間が十数人 いずれも外傷は無いが、間違いなく死んでいるのだ 誰がなんと言おうとそれは死んでいるのだ 「はやっ・・逃げっ・ろ・・・かはっ」 少年の父親らしい男性が必死に声を絞り出して息子に言った 異形の怪人・・どこか獅子を象ったような怪人に首を掴まれ、持ち上げられながら 「と、父さんを・・父さんを離せ!」 少年はそれを見て怯えながらも異形の怪人に体当たりをした が、全くビクともしない 逆に体当たりした少年のほうが尻餅をついてしまった 「・・ふっ」 異形の怪人は少年を軽く鼻で笑ったのだった 「なんで・・こんなことするんだよ!!離せよ離してくれよぉ!!」 涙声で怒鳴りながらもう一度体当たりをしようとする だが獅子の怪人は向かって来た少年を空いている手で軽く払った 「うわっ!」 たったそれだけで5メートルは吹っ飛ばされてしまった
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