あたしは知ってるんだ。

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かんちゃんはね、多分もうずっと前から、りおちゃんのことが好き。 机に突っ伏して、足をぶらぶらさせながら、こっそりかんちゃんの事を盗み見てるあたし。 かんちゃんは、いつだって、りおちゃんを見てる…気がする。 あたしがかんちゃんのことが大好きなように、かんちゃんをつい見ちゃうように、かんちゃんのことばかり考えちゃうように… かんちゃんはりおちゃんのこと…考えてる。 りおちゃんは、かわいくて、やさしくて、あたしなんかとは正反対の女の子。 りおちゃんのマネして、少しだけ、髪の毛のばしてみたけど、かんちゃんに、似合わねー。…って言われたからやめた。 黒いおかっぱ頭のあたし。 長くて茶色のふわふわのりおちゃんの髪の毛がうらやましい。 かんちゃんに大好きになってもらえる、りおちゃんがうらやましい。 「ねぇ、かんちゃん。」 「何?むっちゃん。」 「あたしのことすき?」 「当たり前だろ?」 …すきって言って欲しいのに、かんちゃんはいつも言ってくれない。
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