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山奥にあるとある高校、高らかとチャイムがなり響いた。
その学校の一室、三年二組。
「今日はこの学年では初めての転校生がやってきました」
クラスはざわめいた。
何せ田舎の山奥の高校、ほとんどの場所で携帯が圏外になるような高校に転校生が来る事は学校も十年振りぐらいの事である。
だからクラスのみなが期待するのも無理はない。
「入って良いわよ~」
新任のような若い女教師が扉の向こうにいるであろう生徒に声をかけた。
その声と共にガラガラと扉を開け一人の少年が入ってきた。
身長はスラリと高い痩せ型の男で、顔も美形に近く、属にいうイケメンと呼ばれるような顔付きだった。
「皆さん初めまして、神谷迅です、一年しかないですが宜しくお願いします」
少年が頭を下げると生徒からは野次が飛んだ。
「んだよ鹿野!期待だけさせやがって!!」
「そうよ、ふざけないでよ!!」
まさかの歓迎される事がない転校生は明らかに驚いていた。
「ちょっと、みんな彼は・・・・・・」
女教師が何か言おうとした時教室の扉が再び開いた。
「すみません遅刻しました・・・・・・はっ?俺? 」
入って来た男子生徒、鹿野大輔は驚き尻餅をついた。
それと同時にクラスがざわついた。
なぜなら、『全く同じ人間がそこに存在していた』から。
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