不運は重なり

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私達は、町から逃げるように引っ越した。 町郊外の、森近くにある小屋に許可を得て住み始めた。 学校には通えなくなった。 町から、革命家が連鎖反応で次々に消えた。 気が狂いそうになったけど、お姉ちゃんとレイがいたから大丈夫だった。 そんな、冬のある日。 私とレイが雪遊びをしている間、お姉ちゃんはドアのあたりからそれを見ていた。 雪だるまを作っていた私達が手を振ると、お姉ちゃんも振り返す。 私が、お姉ちゃんの近くにあるバケツを持ってきて欲しいと頼んだすぐ後だった。 立ち上がった瞬間、お姉ちゃんは倒れた。 左脇腹に突き刺さっている矢。 近づいて見てみると、その棒部分には、小さい文字で『Viva minister(大臣万歳)』と書いてあった。
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