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『法陣展開。我が名、シエルに基づき己が力を・・・』
シエルの足元に円状の陣が解き放たれる。展開される光の陣は、シエル全体を包み込んでいく。
ニヤリと笑うシエル。嫌な予感しかしないリル。
「リル。止めるなら今のうちだ。俺様が今やる事は、天界追放級の大事だぜ」
「いやいや、止めるも何も・・・陣展開してしまったら止められないですよ」
その言葉を聞き、両手の平を勢い良く打つシエル。陣の光が増した。もう誰も止められない。
『封印されし光の装飾品よ・・・我が創りし地に放たれたまえ!』
「えぇえええええええ!!」
シエルの言の葉により、大きな地響きと共に光線のように地に落ちていく光具。
腹を抱えて笑っているシエル。青ざめた顔で行く末を只見ているしかできないリル。
「わはは。落ちろ落ちろぉ!!」
「・・・・・・嘘でしょ・・・」
「だから言ったじゃねぇか。止めるなら今の内だってな」
胸を張り、大威張りで笑うのを堪えているシエルに、言葉が出ないリル。
もう青ざめるしか出来ない。
「さ・・・って、俺は行くわ。約束を果たしにな」
「ちょっ!シエル様、貴方今何をやったか分かっていらっしゃいますか?!」
「ん?分かってるけど。まぁ、誰か来たら適当にあしらっておけよ。じゃなー」
「こん・・・の!!イかれ上司!!」
「ハハ。いいね、それ」
屈託のない笑顔でリルの涙混じりの毒を受け流す。
後ろ向きでヒラヒラと軽く手を振り、何もない部屋と化した空間を足早に退散するシエル。
後の事は、全てリル任せ。リルがどう出るかで、シエルの今後の未来が決まる。
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