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「ここに来るのも久々だな」
解放した場所から遥か遠く、誰も寄り付かない、寄せ付けない天空の庭園。
その下に、目的の少女がいる。
薄暗い地下に降る螺旋階段。蝋燭の微かな灯火の中、ゆっくりと降っていくシエル。
何段ものから連なる階段を、一段一段降って行くと共に思い出される少女。
「ったく・・・壊すなと何度も言ったのにな」
降りる度に増える大穴。暗闇だけの筈が、上の明るさが目に滲みる。
力は抑えている筈が、どうも少女には効かないようだ。
「ていうか、長過ぎやしないか、この階段」
大分降りた筈なのだが、中々見えてこない目的。
「誰だ!!こんな長く造ったのは!!」 ※自分です。
ぶつくさ文句を言いながら、駆け下りる。
やっと着いた階段の最後。そこで見た、まだ果てしなく続く長い廊下。
「だから誰だ!!こんな長ったらしいモン造ったのは!!」 ※だから、自分です。
大声で喚き散らして歩いていると、前方から飛んでくる『なにか』
瞬時に反応したが、シエルの右頬を僅かに掠って壁に大きな穴を開ける。
頬に生暖かい感触、どうやら血が流れているようだ。
「おいおい・・・随分な挨拶じゃねぇかよ。会ったら覚えておけよ、あのクソアマ」
流れる血を乱暴に袖で拭い、今から会いにいく少女に聞こえていないであろうご挨拶。
ヒール音を響かせ、所々大穴が開いたレンガ造りの廊下を足早に歩く。
すっかり煤けてしまった壁。見るに耐えない無残な色。陰気なまでに湿った空気。
「よくこんな所に二百年も住めるもんだな・・・」
着いた、漆黒の牢。隙間に見える一人の人影。
「・・・なぁ・・・葵よ」
「・・・・・・黙れ、腐れ腹黒偽り天使」
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