序章

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バシーーーーンッ 放課後の保健室 そこで何故か、盛大に何かを床に叩き付ける音が響いた。 「ふ…ッ、ふざけんじゃねぇ! 何だよ此ッ!!」 渇いた、何かを叩きつけた音が静かな (静かにする筈の) 保健室に響きわたる 時刻は5時を少し廻った所 校内には部活をしている生徒やら居残りの生徒が疎らにいる程度で昼間のような活気に満ちた声や、人の足音はあまり聞こえてこない分、随分と盛大に響いた。 『…何だ、これ』 此は 何というか―――俗に言う自作の薔薇小説だ。 部活中、怪我をして保健室に赴くと机の上には何の変哲もない只のノートが。誰のかと疑問に思い、好奇心のみで開いてソレを見てしまったのが運の尽きだった。 妙な沈黙の後に空は天井を仰ぎ、ため息を吐くと地面に叩きつけたノートを拾い上げる。 『これほどおぞましいものは見たこと無い…、まさか、俺と七瀬の奴がこうなると 此処までの破壊力が有るとは……、此以上見たら精神の均衡が保てそうにないな』 誰に告げるでもなく一人呟くとため息を再び吐き、ノートを元々有った場所に戻そうとした瞬間、申し合わせたかの様なタイミングでそれは来る
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