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「暗ッ!」
考えればわかることだったかも知れない。
目の前に広がる暗闇に、雅樹は溜め息をついた。
そう、ここは宇宙科学研究所の地下の奥深く。雅樹と沙耶が眠りについた、仮死冷凍保存室である。
「あ……! 沙耶は!」
雅樹はそこで一緒に眠りについた沙耶のことを思い出し、ゆっくりと自分の入っていたカプセル型の機械から降りた。
すると突如として室内に小さな音が響き、天井の明かりが点いた。
どうやら人の動きを感知すると、自動的に点くようになっていたようだ。
冷凍保存をする前は、この部屋にこんなシステムは無かった。
「……うおわッ!」
部屋の明かりが点いたことで、重大な事実に気がつく。
服を何も着ていなかった。
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