死の惑星

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  仮死冷凍保存室は、元々別の用途で使われていた地下室を改装し、別の研究施設から入手した保存カプセルを設置した、何とも行き当たりばったりなスペースである。 保存室は研究所の最下層である地下五階に位置し、一階に上がるためには地下三階から設置されているエレベーターやエスカレーターを使うのが手っ取り早かった。 「暗いな……」 保存室とは打って変わって、研究所内はどこも真っ暗だった。 記憶を頼りに地下三階までたどり着くと、屋上からの吹き抜けによって、フロアの中心部が少しだけ薄暗くなっていた。 「よし! ようやく空が見える」 雅樹は笑みを浮かべ、その吹き抜けから空を見上げる。 そして、その体勢のまま固まってしまった。 恐らく夜であることと、天井の超硬化ガラスが汚れていることで少し見難いが、空は不気味な程に黒い雲で覆われていた。 「なんて天気の悪い日に起きたんだ……」 雅樹は今にも雨や雷が降りそうな雲を見て、誰もいない研究所で溜め息をついた。
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