死の惑星

7/11

43人が本棚に入れています
本棚に追加
/120ページ
「ロボット……じゃないな」 見たことも無いその機械が、雅樹の研究心を擽る。 その機械人形は銀色の金属でできているが、人形自体は普通の人間と変わらないくらいの重さだった。 そして何より異質なのが、顔や手のひらの一部など、ところどころ人の皮膚のような柔らかい肌触りの箇所がある。 儚げな表情の女性をイメージした顔は、見ていて何だか恥ずかしくなる程の出来映えだ。 「しかし、何か無駄にリアルな設計だな……」 雅樹は無性に恥ずかしくなり、そこでその機械に触るのを止めた。 「ロボットというよりは、アンドロイドか? 電源は入ってないみたいだけど……」 雅樹はぶつぶつと呟きながら、エレベーターの方へと歩き出した。 フロアの隅に残された機械人形の瞳から、透明なオイルが流れ、頬を伝って白衣に落ちた。
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43人が本棚に入れています
本棚に追加