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「初めまして…名乗ってもどうせ分からないだろうから要件だけ言うね?」
その人は俺に少しづつ、しかし確実に近付いてきながら喋っていく。
俺は金縛りのように、なにか底知れない恐怖で縛られて動くことが出来なくなった。
その人が俺の目の前まで来ると、俺より大分高い身長をかがめて目線を合わせながら静かに、そして笑顔を含んだ顔で言った。
「一度しか言わないよ?僕に付いてくるか、ここで死ぬか…どっちがいい?」
その人が言った瞬間、明らかな恐怖、畏怖を俺は感じた。
その人から少し離れるように後ずさる。
圧倒的過ぎる恐怖に膝は笑い、吐き気までもが上り詰めてくる。
「ハァ…ハァ…ハァ…グッ!?…っ!!」
知らず知らずに口から出てくるのは、激しい息切れと、吐き気を促す嗚咽。
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