優しいお姫様

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駅近くのネオン街を抜けて、現れるのはホテル街。 週の中日のこんな遅い時間に利用しようとする人はあまりおらず、冬の始まりを告げる冷たい風が、より寂しい雰囲気をあおる。 隣を歩く男性は細身で長身、少し長めの前髪を後ろに流して、メガネの奥から妖しい眼差しを私に向ける。 私の肩に手が廻り、誘導するようにホテルの入り口へ向かう。 私は少し、恥ずかしそうにうつむく。 ホテルの部屋に入るなり、男は唇を重ねながら上着を脱ぐ。 「シャワー、浴びてきて・・・」 恥ずかしそうに、名残惜しそうに、さも、男を欲しているかの様な表情で見つめる。
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