優しいお姫様

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「・・・ぶっ!ちょっと、佐々木課長、これ以上笑わせないで下さいよ」 先ほどまでの、甘く、欲にまみれた男はもういない。 ここにいるのは、滑稽で、哀れな男。 「社会のマナーも守れない人に、常識の説教されるなんてまっぴらですよ?美穂さんにちゃんとしつけてもらって下さい。」 「・・・見たのか」 「何をですか?今晩のおかずが課長の大好きなブリ大根だったとか、光太郎くんが2歩歩いた、とかですか?」 「・・・・・・」 「あれ、課長、顔色悪いですよ?大丈夫ですか?」 「何が・・・目的で・・・」 「ふふっ。聞いてくれます?私、あなたの事が嫌いなんです。仕事とは言え、電話で話すのも、会って打合せするのも、我慢できないぐらい、嫌いなんです。だから、うちの担当から外れて下さい。」
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