優しいお姫様

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「そんな・・・ 「出来ますよね?うちとのやり取りなんて、課長が出しゃばる程じゃないでしょう?今までに部下の方が対応して下さったこともありましたけど、何の問題もなかったですし。何か、私の会社に来なければならない理由でも、あります?」 「・・・わ、わかった。だから、このことは・・・ 「私もこんなこと人に知られたくありませんので、ご安心を。では、失礼します、佐々木課長。もう、お会いする事はないですね?お元気で。」 腰にタオルを巻いただけの格好で、男は呆然と立ち尽くす。 ・・・哀れで、滑稽で、惨めだ。 私は早足でホテル街を抜けた。 一秒だって、こんなところに居たくない。
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