優しいお姫様

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今まで色んな男を陥れてきた。 目的を果たすためなら、どんな事でもしてきたし、耐えてきた。 守りたいものを守れた時、いつも安堵と一緒に襲いかかる空虚感。 男の本質を見抜けた自分への賛辞。 予想通りの展開にしかならない「男」という生物への軽蔑。 本当に守れているのか、不安になりながら、守れている、と言い聞かせる。 「まことに、会いたい・・・」 不意にこぼれる本音。 それに呼応するように携帯がメールの着信を知らせた。
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