優しいお姫様

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『先ほどは、見苦しいところをお見せしてすまない。貴社の担当は変える。後任の挨拶で伺う事を許してほしい』 ・・・くだらない。 こんな事にならなければ、自分の愚行に気づけなかったのか。 また私は、男に絶望する。 挨拶だけですぐ帰ることを条件に許す、と美穂のアドレスを添付して送りつけてやった。 「・・・寒っ」 厚手のコートを着ていても、深夜の寒さが身に染みた。 寒さを紛らわせるため、終電には余裕があるが、私は駅まで走った。
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